小児矯正の1回だけで治療が終わる???
初診カウンセリングにて、他院では小児矯正治療を1回をやれば成人矯正治療を行わなくても良いと言われた、とお話をしてくださった方がいました。
一般の方に間違った知識が広がってはいけないので、こちらで正しい内容をシェアいたします。
小児矯正治療を行うとき、永久歯が生えそろっているお子さまはいらっしゃいません。
みなさん乳歯があります。
多くの方が10本以上の永久歯が骨の中に埋まっている状態です。
永久歯が骨の中に埋まっているにも関わらず、なぜ小児矯正治療だけで、成人期の良い噛み合わせができるのでしょうか?
できないのです。。
通常、矯正医は小児矯正治療の後、大人の歯が生えそろった段階でもう一度矯正治療を行うことを患者さんに説明します。小児矯正をやれば、成人矯正がいらないとはお伝えしません。
誰しも一回だけで安く治療を終えたいというのはよくわかります。
でも良好な結果で終わる保証がないのに、そのようなお話をすることは患者さんのマイナスになると考えております。
小児矯正治療を行なって、経過観察をしていくと、かなり運が良く残りの永久歯が噛んできて、2期治療がいらなくなった、ということは少しの患者さんでは起きてきますが、残念ながら多くの患者さんで起きません。
結局、全て大人の歯に生えそろった状態で、噛み合わせが十分でなければ、十分ではない噛み合わせの状態で成人期、老年期を迎えていくのです。
小児矯正治療(1期治療)をやれば、大人の矯正治療(2期治療)はいらないというお話があった場合ご注意いただければと思います。
小児矯正治療後、大人の歯の矯正治療は必要ですということは保護者の方には耳に痛いかもしれませんが、ご理解いただけると幸いです。
あさひ矯正歯科医院
院長 隅田実希
- 矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、一般的に1年~3年を要します。通院回数は1~2ヶ月に1度の通院で、12回から36回程度の通院回数となります。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~3年(通院回数:12~36回程度)、永久歯がすべて生え揃ったあとに行なう第2期治療で1~2年(通院回数:12~24回程度)を要することがあります。
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- 装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
- 加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。