転院はできますか?というご質問について
矯正歯科コラム
転院はできますか?というご質問。
途中で転院することは可能ですか?というご質問を受けることがあります。
当院の答えは『お勧めできない。』です。
理由を挙げて参ります。
①矯正治療のレベルは担当医によって様々で、治療計画も担当医によって様々であるため。
(治療計画は全国で全く統一されていません)
②矯正治療の装置の種類は沢山存在し、転院前と転院後全く同じ矯正装置を使用するケースは稀である。そのため、転院先で装置の付け替えが必要な時は追加の費用がかかる。(特にワイヤー矯正治療)
③治療の後半ほど、治療技術が必要とされるので、転院を歓迎されない。
結果、転院先で請求される料金が高くなる傾向にある。
上記の理由から転院をお勧めしていません。
患者さんと契約を結ぶことができれば、料金が発生しますが、患者さんの不利益を思うと、「転院できますので、是非始めましょう!」と安易には決してお伝えできません。
初診相談で引越しの可能性があるとわかったら、上記のことをお伝えし、「もし半年後などに転居が決まっているのであれば、転居先で探された方が良いと思います。」と正直にお伝えしております。
逆に、どうしても転居されてしまった場合もそのことをお伝えすると、仕上げまで見て欲しいとかなり遠方であっても一生懸命通院をして下さいます。
(転院の依頼状を書かないということでは決してありません。)
転院先に顔見知りの信頼できるドクターがいるということがわかっていれば別だと思いますが、転居先不明の状態で「さあ、当院で始めましょう!!」という矯正歯科医、もしくは歯科医がいらっしゃるとしたら、私は首を傾げてしまいます。
- 矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、一般的に1年~3年を要します。通院回数は1~2ヶ月に1度の通院で、12回から36回程度の通院回数となります。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~3年(通院回数:12~36回程度)、永久歯がすべて生え揃ったあとに行なう第2期治療で1~2年(通院回数:12~24回程度)を要することがあります。
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- 装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
- 加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。