歯の移動シュミレーションは担当医が作っていますか?
マウスピース矯正治療において、どのように歯を移動させていくか0.1mm単位で考えるシュミレーション作りは必須になってきます。
そして、このシュミレーションを作るのはとても難しいと考えています。
なぜなら、パソコン上では歯をいくらでもするすると移動させることができますが、実際は骨の固さ、骨の幅、咬む力の強さ、根の長さ、根の本数、などにより、歯が動きづらくなる要因はお口の中に様々に存在し、その要因一つ一つに個人差があるためです。
そのため、実際に歯を移動させてみると、歯がシュミレーション通りに移動してくれないというのはどんなに上手な先生でも当たり前のように経験しています。
そのため、ドクターは患者さんの歯の動きを見ながら、マウスピースの交換日数を調整したり、シュミレーションとは異なる設計に変更したりして治療を進めていきます。
ところが、矯正治療経験のない先生が、型取り(スキャンの時もあります)だけ行い、シュミレーションの作成を違うドクターに代行してもらい、マウスピース矯正治療を進めていく、というケースがあります。要するにシュミレーションを作る影武者のドクターが別にいるということです。
その場合、何が怖いかというと、
①進めていく間に微調整が行われていないため、治療期間が余分にかかる。
②シュミレーションと違った歯の移動が生じたとしても、ドクターが察知できる目を持っていない場合がある。
③仕上げが甘くなる。(きちんと治らない)
があげられると思います。
矯正専門のドクターの場合であれば、このようなことはなく、シュミレーションも自分で作り、自分で治療を進めていくことがほとんどです。
もし一般歯科で矯正治療を受ける場合は「先生が実際にシュミレーションを作るのですか?」と聞くと良いかもしれません。
上記の内容からシュミレーションを実際に作成していない先生の治療を受けるのは個人的におすすめできません。
クリニック選びの参考になると幸いです。
副院長
隅田実希