格安のマウスピース矯正が気になる方へ その③
引き続き、本来のマウスピース矯正よりも数分の1でできてしまうという格安のマウスピースの矯正治療がとても気になる方の助けになればと思い、書いています。
Facebookで出されていた広告の3件目です。
*安さの秘訣は何か?
歯科医の人件費削減ということでした。
格安マウスピース監修の先生が大学病院の若手の先生に休みの日にバイトしないか?と声をかけているということを以前私の知人の先生が教えてくれました。
そちらの大学病院ではマウスピース矯正をとりいれていないので、マウスピース矯正に対しては全くの素人の先生が診察をしている状況でしょう。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも難しいと感じておりますが、ワイヤー矯正を見習い中のドクターがマウスピース矯正の教育を簡易的に受けて診療を始めているのではないでしょうか?
人件費の削減を新人の歯科医に求めるという状況なのでは?と予想しております。
臨床が上手な先生は診療技術を安売りするよりは、より良い治療を提供する時は自費の診療を行うことがほとんどだと感じております。私の知人の先生も上手な先生は薄利多売で診療をされていません。
マウスピースは確かに良質であるかもしれませんが、いくら良くても取り扱いが難しいので、提供する側の経験は必要であると思います。
超高級なゴルフのクラブを持っていても練習しなければ、球は良い方向に飛ばないですし、
超切れる最高の包丁を持っていても練習なくして美味しいお刺身には切れません。
キラキラの一輪車があっても練習をいっぱいしなければ乗れることはできません。
歯を動かすことも一緒です。
歯科医の人件費を最大限に下げているマウスピース矯正でもし始めるとしたら、矯正の教育をしっかり受け、さらに現在も学び続け、治療経験もあるドクターであると確信できたら、始めても良いと思います。またシュミレーションを先生本人が作成しているか確認すると良いでしょう。
シュミレーションを作成している人が一度も患者さんのお口の中を見ないと言うこともあるので、そのような場合は治療を受けることを個人的におすすめしていません。
シュミレーションの作成はとても難しいので、ここを自ら行うことが肝心です。
実際に自分のクリニックに訪れた患者さんに対し、自分でシュミレーションを作り上げ、その効果を検証しながら診療を進めていく、という先生が患者さんに責任を持つドクターであると考えております。
格安の矯正と一体貴院は何が違うんでしょう?と聞かれることがあったので、多くの方が気になるのではないかと思い、三つほど書いててみました。
参考になると幸いです。
副院長
隅田実希